はじめまして。谷歯科医院の院長・谷哲と申します。
現在の医院はもともと父親が同じ地に歯科医として開業したのが始まりです。その医院を継ぎ、合わせて60年以上も地元の皆さまの信頼に支えられて現在に至っています。
私自身、ずっと1階が医院で2階が自宅という診療所兼住居で育ってきました。それは父親が九州などから受け入れた歯科医をめざす若い学生さんと共に、母が作るまかないの食事を一緒に食べ、技工士さんが仕事をする横で遊ぶような環境でした。
そのためか自分も歯科医になることに違和感はなかったのですが、箕面市が全国に先駆けてスタートさせた往診歯科診療を始めた頃から、歯科医であることに強いやりがいを感じるようになりました。その後、私自身が車いす生活となって往診診療はできなくなってしまいましたが、今は若手育成にも力を入れ、医院の2階に若い歯科医が下宿して診療をサポートしてくれています。
父からはついに技術的なことは教わらなかったのですが、ただひとつ「患者の口は忘れるな」とだけ言われてきました。Aさんという患者がいるなら、Aさんのお口の中をいつでもありありと思い描けるようになりなさいということでした。
祖父母、父母、そして子どもと数世代にわたって治療を続けさせてもらっているケースも多く、自然と患者さまの全身のさまざまなちょっとした変化に気づけることもよくあることで、地域の皆さまの人生そのものにかかわらせてもらっているような気もします。
妻からは「あなたはしゃべりすぎる」とよく叱られますが、患者さまと一緒に笑い合いながら歯の治療をするのが何よりのやりがいと感じています。
「歯医者は怖い」「痛いことをされる」というイメージは根強いものがあります。ですから、それを和らげることを常に心がけています。スタッフにもそうしなさい、と言うことはないですが、院長が率先して行動することで院内の雰囲気が自然とそうなっていると感じています。
症状と関係ない相談や日常の愚痴なども聞きながら、気分よく治療を受けてもらい、そしてお互いに「笑って帰れるクリニック」でありたいと思います。
院長 谷 哲